移動距離約950キロ!“目指せ鉄子?!”の旅 パート2
標茶 「SL冬の湿原号に乗る」編
こんにちは。
「おとなのいい旅北海道」編集担当の黒田です。
昨日に引き続き、
先週末行ってきました道東の旅パート2を
お送りします。
JR標茶駅に私たちが着くと、
「上り」の便で先に到着していた「SL冬の湿原号」の準備中でした。
ただその姿には、少し違和感が・・・。
▲他のお客さんに負けじと覗き込みます
「SL冬の湿原号」の先頭の部分、
つまり、ポッポーと汽笛を響かせる、あのSL部分がないのです。
おかしいなぁ・・・と思っていたら、
お客さんがぞろぞろと改札へ。
カメラ片手にホームの一番端に
集まっていきます。
他のお客さんの視線の先を見てみると・・・
▲・・・おや?あの黒いものは
▲あ!SLだ!
▲これから接続するようです
▲ん?なにか向きがオカシイ・・・
▲最後尾の車輌に接続した?!
何故、一番お尻の車輌にSLが接続したのか。
車掌さんに伺ってみると、
標茶駅には車輌を回転させる機械がないため、
標茶→釧路の「SL冬の湿原号」は、
先頭のSLは5号車の後の緩急車に接続し、
他の車輌をお尻から引っ張るようにして
後ろ向きに進むのだそうです。
反対に、
釧路→標茶の湿原号は、
普通に1号車の前に接続して前進していきます。
▲天井には、「SL冬の湿原号」のヘッドマークのモチーフになっているタンチョウが羽ばたいています
なるほど。
だから、こんな向きに接続したのですね。
乗車時間がやってきました。
出発まで少し時間があるので
早速、車内探検です。
車内にはあちこちに、
釧路湿原周辺に生きる様々な動物たちが飾られています。
さあ、何種類見つけられますか?
(ちなみに、私は5種類でした)
▲アイヌの人々が守護神コタンコロカムイとして崇めるフクロウ。この大きさならエゾフクロウかな
▲荷物の間ですこし窮屈そうなエゾシカ
▲2号車の売店には、「SL冬の湿原号」のチョロQも販売
次に、
グッズや食べ物・飲み物を販売している2号車へ。
2号車の車内は特に、
木やレンガ調の壁、少しオレンジがかったライトの灯りが温かく
レトロな雰囲気です。
2号車の売店横には
車掌さんをイメージした制服と制帽、
それに撮影用のパネルがかかっています。
▲出発まで時間があるので、外に出て撮影してみました
記念に、車掌さんになりきって写真を撮ってみませんか?
ラッキーな人は、
近くに車掌さんがいたら一緒に撮影に入ってもらえるかもしれませんよ。
(連れのHとKは撮ってもらっていました、羨ましい!)
そんなことをしていると、
あっという間に発車時間です。
ポー!
出発の汽笛がなります。
▲知らない人でもこうやって見送ってもらうと、なんとも心温まります
窓の外を見ると、
駅員さんや地元の方、湿原号を撮影に来たカメラマンさんたちが
手を振って見送りをしてくれています。
力強いSLの鼓動がしてきました。
「ああ、私SLに乗っているんだな」としみじみ窓の外を眺めていると、
ふと車内が香ばしい香りに・・・。
▲時々車掌さんが火をくべにやってきます。このだるまストーブ、温かくて、珍味も炙れて、他の乗客と交流もできて一石三鳥ですね(笑)
車内には、だるまストーブが設置されていて、
そこで乗客が「するめ」を炙っていたようです。
あまりにも良い香りで、
私も「するめ」を買いに2号車へ!
だるまストーブの上に載せると
あっという間にするめが踊りだします。
普段「するめ」を食べないので、どれくらい炙ったらいいのかオロオロしていると
近くの乗客の女性が「そろそろいいよ~」なんて声をかけてきてくれました。
なんでも
ツウは「和商市場」でお好みの干物を買ってきて、ここで炙り、
ワンカップと一緒に楽しむのだとか。
こうやって初めて汽車の中で出会った旅人が
気軽に会話できるのも
このSLの魅力なんですね。
JR茅沼(かやぬま)駅が近づいてきました。
この駅は現在、無人の駅ですが
昭和30年~40年にかけて歴代の駅長が
タンチョウの餌付けをしていたそうです。
そのため、運がよければ
駅付近でタンチョウを見ることができます。
ドキドキして見てみると・・・
いました、いました!
▲数羽タンチョウの姿が見えました。真っ白な雪景色の中、タンチョウも白いですが、独特の存在感があります。優雅です
JR茅沼駅を後にし、
SLは湿原内を進んでいきます。
そこで汽笛が。
汽笛は、様々な意味がありますが、
このSLでは汽笛がなると、
右か左、どちらかにエゾシカがいますよ、
という合図でもあるそうです。
車内の皆さん、
「見えた?」「どこ!?」と、窓の外に夢中です。
ちょうど私たちの車輌に来ていた車掌さんが
「あそこですよ~」なんて優しく教えてくれます。
ポーポポポポー!
たくさん見えると、汽笛もたくさん鳴らすんですね(笑)。
わかりやすい。
▲記念に乗車証明書を車掌さんからいただきました
本当はエゾシカの写真もお見せしたいところですが、
人よりも見つけるのが遅かったため、
写真に撮れませんでした(すみません)。
誰かが言っていたのですが
「見つけるスピードは動体視力で変わってくる」のだそうです・・・。
さて「SL冬の湿原号」の見所はまだまだありますが、
旅の楽しみに残しておきますね。
▲「民宿 木理」は国道391号線沿い。1泊2食で5000円(11~4月は暖房費300円プラス)
JR釧路駅に到着後、
私たちは再び、いえ三度釧路~標茶間を移動し
(こんなに列車に乗って、私たち、今流行の“鉄子”?)
旅の目的だった“とーさんの宿”へ到着しました。
“とーさんの宿”とは、勝手に私たちが呼んでいる名で、
正確には「民宿 木理(もくり)」
という名の宿です。
実はここのご主人・加藤さんは
私たちがいつもお世話になっているカメラマンさん。
「(加藤の)とーさん」と周りに親しまれる、温かな面白い方で
私も勝手にそう呼ばせてもらっています。
▲加藤さんの趣味はカヌーやバイクなど。木理さんでは、とーさん自作のカヌーでカヌーツアーも体験できます(5~10月1名5000円)
その「とーさん」の宿「民宿 木理」は、
「おとなのいい旅北海道」の姉妹紙・「北海道じゃらん」でも以前、
「オーナーが魅力の小さな『もてなし』の宿」という記事でも紹介され、
私も仕事ではお付き合いしていたものの、
ずっとプライベートで泊まりにいきたいと思っていたのです。
実際に泊まってみると
とにかく居心地が良い!
初めて行くのに、
実家に帰ってきたような温かさがあります。
特に、夕食の時間は
楽しかった!
加藤さんご夫婦以外にも、他のお客さんとも同じリビングで夕食をとるのですが
その日初めて出会った人たちなのにどんどん会話が生まれ、
夕食後には自然と飲み会が始まるんです。
▲とーさんの奥さん「かーさん」の作ってくれた夕食をいただきます。ボリュームたっぷりですが、美味しくてペロリと食べれてしまいました
初めて知り合う人同士でも仲良くなれるのは、
そんな居心地の良い雰囲気が
この宿と加藤さんご夫婦にあるからなんでしょうね。
さて、流氷を目指して網走へ北上する2日目については、
明日、堀のブログでお届けします。
今年は「流氷の当たり年」。
高まる期待を胸に、
1日目の夜はぐっすり眠りました。
つづく。
[SL冬の湿原号]
運転日/~3月9日、3月15日・16日
料金/乗車券1040円(釧路・標茶間)+指定席券800円
[民宿 木理]
住所/標茶町南標茶
電話番号/01548-5-1785
ホームページ/http://www.sip.or.jp/~mokuri/
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